チューンナップ工房~デリケートな滑走面~
『傷があまり入ってないんで、今年はチューンナップしなくてもええよー』
という声をたまに耳にしますが…
1シーズン使ったスキー&スノーボードは
想像以上にダメージがあるんですよ!
ワックスなどの手入れをやらないまま使い続けると
写真のようにソールが酸化して、白っぽくなっていき
さらに放っておくと素材が硬化しはじめて劣化していきます。
ここまでソールが白いとすぐに気づくと思いますが…
なかなか気づきにくいケースが厄介です。
前回、チューンナップした時はフラットでベストな状態で
お渡ししたはずなのに、1シーズン使えばソールが凸凹に…
ワクシングのアイロンによりソールが焼けていたり…
ソールが部分的に浮いてきしまっていたり…
剥離したところから内部まで水が侵入して
結果的にソールが変形していたり…と
スキーのソールは想像以上にデリケートで、
いつの間にかダメージを受けています。
シーズンまでもう少し時間がありますので、
今一度、自分のスキーをチェックされてみてはいかがでしょうか?
ポイントは、
チェック:ソールの表面が白っぽくなっていませんか?
チェック:黒いソールの場合、ツヤのあるところとないところとまだらになっていませんか?
チェック:ソールの表面を触ってザラザラしていませんか?
チェック:エッジとソールの間に段差ができていませんか?
チェック:ソールが部分的に盛り上がったり、膨らんだりしていませんか?
チェック:ソールが凸凹になっていませんか?(フラット確認)
チェック:ソールやトップシートに芯材が見えるほどのキズはありませんか?
チェック:ぱっくり剥離しているところはありませんか?
(サイドウォールとエッジ、サイドウォールとトップシート、テール部分が剥離しやすい)
チェック:左右が対象になっていますか?曲がりやねじれ等はありませんか?
チェック:エッジは丸くなっていませんか?
チェック:エッジは錆びていませんか?
チェック:エッジに曲がりや深いキズはありませんか?
ひとつでもあてあまる症状があるようなら、
チューンナップが必要です!
定期的にチューンナップして
大切なスキーを長持ちさせてやりましょう!
【おまけの話】
スキーのソール(滑走面)にはワックスを溜め込んでおく
ポケット(穴)があると言われております。
このポケットにどれだけワックスを浸透できるかが
ワクシングのポイントのひとつです。
ただ、肉眼ではとても見えないくらいの小さなポケット
このポケットをみた人はほとんどいないのではないかとおもいます。
興味のある人もほとんどいないと思いますが…
ソールを顕微鏡で拡大すると
小さな穴が空いているのがわかりますか?
この中にワックスが入り込んでいくようです。
アイロンでソールが焼けるといいますが、
この穴が熱で溶けてふさがってしまうことをいいます。